起業準備でやることはさまざまだ。
しかしどんな分野で起業するとしてもやるべきことはある程度決まっており、やるべきことをひとつひとつこなしていくのが起業して商売をスタートさせるためのカギだ。
この記事では起業準備でやっておくべきことについて紹介する。
始めに言っておくと、起業準備ですることの中には「人脈作り」は含まれていない。
起業に関してもさまざまな情報が飛び交い、人脈は基本中の基本と考えてしまうことだろう。
しかし実際には人脈を作る必要はなく、個人によるものがほとんどだ。
やりたい分野の本を最低10冊読む
起業してビジネスを始めるにあたっては、まずやろうとしている分野について本を最低10冊、できれば100冊読むべきである。
これはビジネスで失敗しないためにやるもので、書かれていることを具体化すれば最初の一歩も見えてきやすい。
ビジネスは何の勉強なしにできるほど甘いものではなく、失敗することの方が圧倒的に多い。
成功より失敗が多い状況のなかでは「いかに致命傷を負わないか」が重要となり、生き残るための方法を知ることからビジネスは始まる。
ビジネスの種類によっては最初に借金をすることもあるため、失敗しない方法を知るのは非常に大切だ。
飲食なら飲食、モノ作りならモノ作りに関する本を大量に読み、失敗パターンを勉強する。
ビジネスを始めるにあたり、読書するのは本当に基本的なことだ。
お金を貯める
会社を辞めて自分の事業に集中する場合、ある程度の貯金が必要となる。
生活費を極限まで下げ、そのうえで売り上げを作っていくことになるため、ビジネスが起動に乗るまでの間を凌げる額が必要だ。
具体的な額としては最低300万円、できれば500万円。それぐらいの額があればなんとか凌ぐことができ、ビジネスに使うこともできる。
自分のビジネスに集中するとなると会社を辞めることになるため、生活費を確保する必要はあるし、ビジネスに投じるお金も求められる。
教材費などにもお金が出ていくので、生活資金を極限まで下げる以外にも、ビジネス投資をする余裕も残しておいた方がいいのだ。
体を鍛える
起業して自分でビジネスを始めるにあたっては、体力が非常に重要となる。
体力があれば無理がきくし、集中して仕事をすることも可能だ。
体力がないと安定して売り上げをあげることができないし、仕事のパフォーマンスがその日の体調に大きく依存してしまう。
そのため体を鍛えるというのも起業準備のメニューとしては外せないのだ。
起業して最初の1年はがむしゃらに働くことになるため、体力はあった方がいい。
体力をつける方法としてはランニングで十分なので、運動用の時間を作っておいて損はしない。
集中して作業できる方法を覚える
体力と並び、集中力も重要な要素だ。
集中して仕事を片付けることができればその分時間が浮くし、それほど消耗せずに済む。
そしてミスが減って仕事の効率・質が上がるので、集中力もこれまた欠かせないのだ。
集中力については「集中して仕事を片付ける」と言った方が適切だろう。
短時間で集中して仕事を片付けるのが習慣化できれば、ビジネスにおいてもかなり有利に立ち回ることができる。
アウトプットも安定するため、身に付けておくと非常にお得だ。
自分に合った勉強方法を身に付ける
ビジネスにおいてはわからないことが毎日のように出てくるものである。もちろん自分で調べるしかない。
また、新しい分野に手を出そうとする場合にも勉強は必要となる。
つまるところビジネスに勉強は付き物であるため、自分に合った勉強方法を身に付ける必要があるのだ。
どのような媒体から情報を得るのか。どのようなタイミングで勉強したことをアウトプットするのか。どのようにして具体的なステップに落とし込むのか。
自分に合った勉強方法を身に付け、わからないことを自分で解決できるというのは、起業家にとって必須のことだ。
技術のことは人を雇えばいいにしても、会社の戦略的な部分については自分で考えるしかない。
新しい分野を効率よく学び、具体的なステップに落とし込むのは、起業家であるあなた自身がやるべきことだ。
ビジネスの戦略というものは一人で決めるべきものであり、最終決断にあたってはワンマンな方がうまくいきやすい。
戦略的な部分については自分で何とかするしかないため、勉強方法を身に付けるというのも大切なことなのだ。
早起きする習慣を身に付ける
ビジネスを始めるにあたっては、早起きする習慣があったほうがいい。これは体調管理のためである。
ビジネスにおいては常に一定の体調を維持するころが求められる。
体調が安定しないと売り上げにも影響してしまうため、一定の生活リズム、一定の体調を維持できるというのはそれだけで大きなアドバンテージだ。
また早起きができれば、朝の集中力で仕事を超速で片付けることができる。
起業の世界において早起きは正義であり、集中して仕事ができる、体調を一定に保てるというのは非常にいいことなのだ。
お金に関する本を10冊以上読む
あなたがやろうとしている分野の本以外にも、お金の本を別途読んでおくことをおすすめする。
お金の本を読む一番の目的はマインドセットの習得だ。
起業して自分で稼ぐにあたっては、「お金稼ぎは卑しい」という思い込みは大きな足かせになる。
倫理的にダメだと思うことに対して一生懸命になれるだろうか?おそらくはなれないだろう。
お金に関する本には「お金稼ぎは卑しい」という風潮の根幹について書かれていることも多く、またお金に関するさまざまな話題がケーススタディ式に書かれていることも多い。
もし「お金稼ぎは卑しい」という思い込みを捨てられないと、仕事に全力投球できないどころか、お金に関する話からも目を背けてしまうだろう。
ビジネスをするにあたっては、お金に詳しくないのは致命的だ。マネーリテラシーがないと経営は成り立たないし、黒字化して大きく稼ぐこともできない。
「お金稼ぎは卑しい」という思い込みはお金稼ぎに否定的になるだけでなく、お金について考える機会をも消滅させてしまう。
お金の本を読むのは「お金稼ぎは卑しい」という思い込みをなくすためであり、そのような思い込みから解放されないとビジネスの成功はありえないのだ。
やりたい分野に関係するブログ・ツイッターを読む
最近ではインターネットでの情報収集も可能となっており、自分の興味ある分野、やりたい分野についてはブログやツイッターも目を通しておいたほうがよい。
もちろんすべての情報が正しいというわけではなく、ポジショントークも多分に存在する。
重要なのはまず情報を入手し、実際に検証してみることだ。
ブログやツイッターというのは個人の主観に沿った情報が書かれるため、体験談として読むことができる。
技術屋さんとして仕事をする場合には、最新技術へのキャッチアップとしても欠かせない行動になるだろう。
ツイッターには細かい情報が書かれていることもあるため、できる限りチェックしておきたいところだ。
商売のネタを複数考えておく
ビジネスを実際にやるとして、最初のビジネスがうまくいくことはほぼない。
いくつかビジネスのネタを考えておき、その中のどれかひとつがヒットするという場合がほとんどだ。
成功よりも失敗の方が多いビジネスの世界において、商売のネタを複数考えておくことは基本だ。
それに、起業して間もない頃は何でも屋として働くしかないため、商売のネタが複数ないと厳しい。
ビジネスのネタを複数考え、そのうちのひとつがヒットするのが起業というものなのだ。
副業として小さく始めてみる
起業するにあたっては勉強や体力作りはもちろん必要だが、小さく副業として始めてみるのは最低限のタスクだ。
プロトタイプを作ってみたり、ブログのアクセスを解析してみたりと、小さく始める方法は色々とある。
いきなり大きく借金をして始めるというのはリスクが大きく、失敗する可能性が高い以上はよろしくない。
借金を負わない範囲で小さく始めるというのは本当に重要なことであり、致命傷を負わないためには必要なことなのだ。
ビジネスにおいては失敗こそ多いものの、失敗が致命傷とならなければいくらでもチャレンジし続けることができる。
莫大な借金という致命傷を負ってしまうと、いざチャンスが来たとしても全力で稼ぐことができない。会社を辞めようものなら大変なことになる。
そのため副業で小さく始め、うまくいったら本格的にリソースをつぎ込むというのが基本的な起業の流れだ。
まとめ
ここに挙げたことは、起業準備のなかでも基本中の基本だ。これらをこなせないと、起業してもうまくいかない可能性が高いだろう。
致命的な失敗をしなければ起業しても何だかんだやっていけるため、そのために本を読んだり小さく始めたりというのは欠かせないことなのだ。
特に副業として小さく始めるのは重要であり、副業の段階である程度の売り上げが作れるようであれば、本格的に取り組み始めたとしてもうまくいく可能性が高い。
副業として始めるまで含めて準備をしておくことで、失敗時におけるダメージを大きく減らすことができるのだ。
補足:人脈に関することが一切書かれていないのはなぜ?
上記した内容のなかには、人脈に関することが一切書かれていない。
これは起業に人脈は必要ではないからである。
実際に起業してみると、関わるようになるのは同じ起業家しかいなくなる。そして関わるはずの起業家も、実際には起業した後に会うような人だ。
仮に起業準備として人脈を作ったとしても、その人脈はあなたのビジネスの売り上げにつながらない可能性が高い。
メリットのない人脈はムダな支出を産み出すし、かといって売り上げに貢献することもないのである。
サラリーマンのときに人脈を作ろうと思っても、同じサラリーマンとしか繋がれないのがオチだろう。そのような人脈は負債にこそなれ、あなたの役に立つことはほとんどない。
起業準備として人脈を作っているヒマがあったら、読書なりトレーニングに時間を使うべきなのだ。